感じる

心を癒すふるさと 杉谷新田

“杉谷新田”は、住所としては存在せず、甲賀市甲南町と三重県の県境に位置する杉谷区にあり、新田・市之瀬・南出・川北・里出の5つの組で形成されている中の新田組エリアの総称として使われています。

“杉谷新田”は、住所としては存在せず、甲賀市甲南町と三重県の県境に位置する杉谷区にあり、新田・市之瀬・南出・川北・里出の5つの組で形成されている中の新田組エリアの総称として使われています。

杉谷区では約230世帯、新田組には19戸約70名の方が生活をされています。
江戸時代中期に水口藩の開墾地として本格的に新田開発されたのがはじまりとされています。
近くの岩尾山周辺には、日本の天台宗の開祖である最澄(さいちょう)にまつわる伝説が数多く残り、岩尾山の七不思議とも言われています。

琵琶湖から遠方にある杉谷新田ですが、至る所に濁水防止ののぼりが立ててあり、近畿の水瓶である琵琶湖へ繋がっていることを住民の皆さんは普段から意識され、水を大切にされています。

日野商人が酒造り等で醸造の商売を始めたのは、こんなところにきっかけがあったのですね。

懐かしい風景

目に飛び込んでくる綺麗な畔と緑豊かで、ゆったりとした時間が感じられる風景がここにはあります。 

来訪者の推薦により応募総数4,474件の中から「景観」・「生物多様性」・「人の営み」を基準に、集落や水田など、里を構成する12の要素ごとに利用や管理の仕方などを評価され、にほんの里100選(2009年)に選ばれています。

なぜ自薦ではなく他薦で杉谷新田が選ばれたのでしょうか。
その答えは、現地を訪れた際に実感します。

観光に特化しているわけでもなく、ただそこに在って、そこで生活の営みがあるだけ。なのに

『なぜか心が安らぐ。』

ここには「心の健康」を求めて来られる方が圧倒的に多く、リピート率が高いのだそうです。
東海自然歩道が通っており、徒歩や自転車などで散策を楽しまれる方が多く、「近江山河抄」の著者である白洲正子さんの足跡を辿る観光者も多数来られています。

いろいろな風景

県道132号で三重県への県境へ向かって、木々に囲まれた道を抜けていくと岩尾池、岩尾池の一本杉(滋賀県指定自然記念物)、大沢池、岩尾山息障寺(いわおさんそくしょうじ)と続いています。

集落の田園風景と違い、自然の風景も身近にあります。

地元に触れる

毎年、甲南第二小学校では、「新田学習」として学校から新田までの約4kmを遠足しながら地元住民や自然と触れ合いを深める体験をされています。

また、築150年の古民家を利活用し、かまど体験などもされています。

まとめ

現代において便利なスーパーやコンビニが当たり前のようにあり、なんでも簡単に手に入る世の中で、ここ杉谷新田は一見、不便と思える場所でありながら、ゆっくりと過ぎる時間が流れており、四季折々の風景、虫音や鳥の声など五感で感じることができる貴重な場所だと気づきます。

このような豊かな里山があるからこそ、綺麗な水が豊富にあり、発酵食品に欠かすことのできない環境が守られています。

※本記事は、甲賀市甲南町杉谷在住 郷土史家 村井様の取材を元に作成しております。