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オール彦根産を目指すクラフトビール醸造所

滋賀県彦根市の荒神山の麓に2021年5月に株式会社 彦根麦酒 「荒神山醸造所」がオープンしました! 
彦根市初のブルワリーとして注目されています。

非農用地の利活用

滋賀県彦根市の荒神山の麓に2021年5月に株式会社 彦根麦酒 「荒神山醸造所」がオープンしました!
彦根市初のブルワリーとして注目されています。

この場所は地権者らが非農用地の利活用に向けて20年もの間、模索されていました。
そんな中、地域活性化や環境共生まちづくりなどの研究を専門とされている滋賀県立大学 環境科学研究科 鵜飼准教授(当時)より“地元農産物の活用にも繋がるクラフトビール造り”の提案がありました。

社員の中に地権者がいたこと、また彦根城が世界遺産登録を目指す中で、観光コンテンツのひとつとして地酒の必要性を感じ、彦根麦酒のグループ会社である株式会社 橋本建設の代表取締役 橋本氏がクラフトビール事業への参入を決意されました。
そこから地元住民、大学、企業が連携した「自然環境と調和した持続可能な事業プロジェクト」が始まります。

日本空間デザイン賞2021サステナブル空間賞 受賞!

湖岸道路を走っていて、荒神山側を向くと、畑の中にポツンと印象的なデザインの木造平屋があります。その建物が、株式会社彦根麦酒 荒神山醸造所です。

醸造所の設計は、滋賀県立大学環境科学部環境建築デザイン学科の白井教授を中心に行われました。

屋根が互い違いになっており、琵琶湖からの自然な風が入るように設計されています。
反対側の小窓からも風が入るので、循環して抜けていく換気システムや外壁にはよし壁を使うなど環境に配慮し設計されています。
周辺の景観と調和した木造平屋建築や、自然風を取り入れる環境に配慮した設計などが評価され、日本空間デザイン賞2021サステナブル空間賞を受賞されました。

建物のすぐ脇では、ビールの原材料となる麦やホップなどを栽培している畑があります。

店内に入ると、琵琶湖に向けて開放的に窓が大きくとってあり、ここでしか味わえない風景と共にビールを楽しむことができます。

持続可能なブルワリーとは

彦根麦酒 荒神山醸造所は、琵琶湖に向かって、抜けるような空と農地とが一望できる場所にあります。

クラフトビールのラベルデザインに使われているグラデーションの背景は、この醸造所からの景色をイメージされています。
取材当日、対応頂いた株式会社 彦根麦酒 水野さんが『ぜひこの場所に来て、この景色を見てほしい。』と話されていました。

醸造所がある石寺町では少子高齢化が進んでおり、地域の活性化やまちづくりの推進のため地元で持続可能な資源循環型ブルワリーを目指されています。
その取り組みの1つとして、地元産の小麦を使用したオリジナルビールを開発し、地産地消にも積極的に取り組まれています。

環境にも配慮されていて、龍谷大学と連携し、水草を堆肥化し、農作物を栽培する試みや、醸造過程で使用される水の再利用や排水システムなど琵琶湖を大切にするための取り組みもされています。 

その他、麦芽カスの利活用、エコバックやビールなど炭酸飲料に対応したエコボトル(グラウラー)などの販売もされています。

他のブルワリーとは違い、プロジェクトのスタートがこの土地の利活用から始まっており、地元になくてはならないブルワリーとして様々な取り組みをされています。

目指すは100%彦根産

彦根市石寺町の地域コミュニティを次世代に引き継いでいくために、原材料彦根産100%を目標にクラフトビール醸造をされています。

彦根産の麦、ホップ、さらに酵母までを使い、将来的には、彦根の味を出していきたいそうです。
まずは、原料として使用する大麦やホップを地元有志の方と滋賀県立大学の学生たちが中心となり栽培し始めています。

また、“彦根産酵母探索プロジェクト”として、長浜バイオ大学、地元の中学校・高校科学部と連携して、彦根城付近で花や実のサンプル採取し、彦根市内に眠るビール酵母を探されています。

多数存在する酵母の中からビールを作るのに適したものを特定する作業が行われており、オール彦根産クラフトビールに向け取り組まれています。

これから

地域と共に成長していく醸造所として、彦根麦酒としてブランドを確立し、県内外に向けても販路を拡大する予定です。
これからも地域ブルワリーとして、ワクワクする活動に目が離せません。

*本記事は、株式会社 彦根麦酒 水野様の取材を元に作成しております。