食べる

喜んでもらえるよう思いを込めた漬物

京つけもの ニシダやは、昭和11年創業の86年続く老舗の漬物店です。

はじまり

京つけもの ニシダやは、昭和11年創業の86年続く老舗の漬物店です。
創業者、辻村 安右衛門さんは、滋賀県野洲市(旧中主町)出身で、京都市東山区にあった西田青果店へ単身丁稚奉公していました。

27歳の時に西田青果店より暖簾分けを許され、“西田”を継承し“ニシダや”を創業します。
創業当初は、店頭での販売だけでなく、御用聞きをし、配達等もされていました。

そんな中、来店されたお客様に喜んでもらえる漬物を作りたいと、研究に研究を重ね、当時、しば漬にはナスが主流でしたが、食感の良いキュウリを使うことを考案されます。
これが、京つけものニシダやの大ヒット商品“おらがむら漬”です。

現在は、全国各地から漬物に適した野菜を厳選して仕入れ、野菜独自の新鮮味や味わいを損ねないように工夫し、滋賀県で製造しています。

販売は、ホームページ・電話・FAXと店頭のみで、製造者とお客様が近い販売にこだわっています。

ホームページ、Instagram、Facebookにも意欲的にレシピや情報を公開し、漬物の可能性を広げる取り組みにも力を入れています。

伝統野菜との出会い

期間限定で“日野菜のぬか漬け”と味酢に漬けた“さくら漬”を販売されています!
10年前、滋賀県が発酵に力を入れていることを知り、地場野菜である日野菜を取り入れました。

日野菜は、滋賀県蒲生郡日野町鎌掛(かいがけ)で約500年前に発見されたカブの一種です。
栽培には、水はけが良く保水力のある肥沃な砂地の土壌が必要で、同じ場所で連作をすると育ちにくい等デリケートな野菜です。

そのため、栽培農家は減少しており、農家の保護と伝統野菜の保存を目的として取り扱いを始めました。
今後は、現在使用している日野菜よりも、さらに原種のものを使った商品化を検討しています。

日野菜のぬか漬けは、塩で漬けた日野菜を洗い、水を切り、クルクルと巻き、樽の中へ戻し、最後にぬか漬けにします。

旨味と苦みのバランスが絶妙な日野菜をぬか漬けにすることで、乳酸発酵の働きによりほのかな甘みが増し、ご飯との相性が抜群です。

日野菜漬けは、滋賀の食文化財に認定されています。

子ども達へ伝えていきたいこと

近隣の小学校からの依頼を受け、体験授業を行っています。
漬物を中心に、発酵についての知識や面白さを分かりやすいリーフレット等使い、子どもたちがもっと学びたいという気持ちが自然と湧き出るような取り組みをしています。

口にするものが健康とどのように繋がっているか等を分かりやすく伝え、未来へ繋げる発酵文化の種を蒔いています。

これから

京つけもの ニシダやでは、現在約50種類もの漬物を販売されています。

近年、各家庭の米の消費量が減り、追い打ちをかけるように新型コロナウィルス感染症拡大の中、来店されるお客様は減少していますが、ホームページからの注文が増えたり、観光で来た際に、商品は食べた事があるが、来店は初めてというお客様が増えています。

また、料理教室を開催したり、日野菜等を気軽にご家庭で楽しめるようなレシピを公開し、1人でも多くの方に京つけものニシダやを知ってもらい、食べてもらえるきっかけ作りをされています。

創業当時より“心を込めて届ける”を大切にし、これからも子どもへの食育や地域貢献をより一層深め、顔の見える取り組みに力を入れられるとのことです。

食卓にはなくてはならない漬物をぜひご賞味くださいね!

京つけもの ニシダや 辻村様への取材を元に作成いたしました。